第29回 EAST END「進化論 feat. 童子-T」

Beginning of the Endless

Beginning of the Endless


EAST END」と聞くと、やはり今でもEAST END×YURI名義の「DA.YO.NE」の一発屋と思っている日本人は多いでしょう。
ここ数年になって、やっと日本のHIPHOPも盛り上がってきたころ、このアルバムはちょっとタイミング遅れで出ました。逆に言えば、タイミングを待っていたというか。
しかし、上はRHYMESTERMELLOW YELLOWからRIP SLYMEKICK THE CAN CREWまでいわゆるFG勢揃いという内容で、やはりEAST ENDはビッグネームであり、「DA.YO.NE」がヘンな売れ方をしたために、ヘンな評価を受けがちでちょっとかわいそうなグループでもあります。
あのブーム以降も、ROCK-Teeはプロデュース業をこなしたり、GAKU-MCはソロで活動して(『word music』、『a day in the life』など)、地道にやっていたのです。
最近出たアルバム『Threee<初回限定版>(DVD付)』は、前作と変わって客演なしの勝負作ですが、やはりキャリアの違いが出た、ベテランらしい、しっかりとした作品になっています。


さて、FGオールスターが参加している中に、ぽつんと童子-Tが参加しています。EAST END童子-Tじゃ合わないような気がしますが、それも当然。昔はライバル同士だったからです。
この曲では、お互いライバルだった時代を懐かしんでいます。その当時であれば、一緒に共演することも考えられなかったでしょう。


今は昔と比べて、HIPHOPは恵まれた時代かもしれません。ですが、その裏には、今は「ベテラン」と呼ばれるアーティストの地道な(アンダーグラウンドの)活動があったからこそなのではないでしょうか。
なかなかつかなかった火ですから、単なるブームではなく、これからも灯し続けてほしいものです。