第93回 MACKA-CHIN『CHIN ATTACK』

CHIN ATTACK

CHIN ATTACK


キエるマキュウの話をした時に独特の世界観を持っている人たちがいるという話をしました(id:dmworldhh:20050905)。HIPHOPというと、「不良の音楽」「社会に対するアツいメッセージ」というイメージがあるかもしれませんが、必ずしも当てはまらない人たちがいます。その中の一人に、MACKA-CHINがいます。
彼はNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのメンバーなのですが、8人の中でも異色です。ラップはうまいのですが、独特の言葉遣いが絶妙で、はっきり言ってシロウトには意味がわからない部分もあります。もともとそんなに意味はないのかもしれませんが、HIPHOPにある種の偏見を持っている人は、「こんな人もいるのか」と驚くと思います。
一番いいのは曲を聴くことですが、歌詞を載せるのはマズいので(だいいち、歌詞カードがない作品が多い)せめてアルバムに収録されている曲名から、独特の世界観を垣間見てほしいと思います。

01. コノ音見テハメテケルヒト
02. タイブレーク '80
03. Maririn Cafe [日本語版]
04. Live '96 (ビデオテープの記憶)
05. マキアートランナー
06. あったか〜いっ
07. 都会の音シリーズ(1)
08. ランページな夜
09. やすらぎの店 feat. BUTCHER
10. 未完成に捧ぐ
11. インストの秋
12. イケナイコト×アカサタナ
13. ボサノバシャワー / taken' from Station 79.7 feat. JOSEPH CACCIO E NA
14. マッカチンイナインデスカ (カセットテープの記憶)
15. 適当強盗 a.k.a 春夏秋冬 feat. S-WORD, XBS, DABO, BIGZAM, GORE-TEX, SUIKEN, DELI
16. イボンヌONEループ

これはMACKA-CHINの出したファーストアルバムです。タイトルからだと、どうしてもHIPHOPの曲とは思えません。中でも、NITROのメンバー全員が集まった15曲目は名曲なのですが、「適当強盗」=「春夏秋冬」、意味がわかりません(「a.k.a」は「またの名を、別名」という意味)。


セカンドアルバム『CHIN NEAR HERE(通常盤)(CCCD)』は、こんな感じです。

01. CHIN COKE
02. あの人この人物語 feat.BUTCHER
03. PRINCE PRINCE
04. オフロレスポンス
05. 向こうのラヂオ
06. 東京湾中毒 feat.S-WORD
07. キライナウタ
08. CHACKA PEOPLE
09. LIVE’98
10. 交信(ALBUM VERSION) feat.TWIGY
11. 私の方がクイックイッ☆
12. 3人と2人 feat.DELI, BIGZAM, DJ MISSIE, ASIAN STAR
13. やすらぎの間 AT 西麻布 feat.BUTCHER
14. NO.253-9981(ALBUM VERSION) feat.SUIKEN
15. 時間割

やはり、タイトルだけでは、どんな曲なのかわかりにくいですね。「3人と2人」だったら、足して5人にすりゃいいのに、何か意味があるのでしょうか。


MACKA-CHINは、NITROとソロ活動、客演のほかにも、グループ活動としても精力的に活動しています。同じNITROからSUIKENと組んだ「MONGOL」や(『BRASIL BRASIL』)、SUIKENとTinaと組んだ「MONTIEN」(『MONTIEN』など)、DABOと組んだその名も「MABO」(『デラコスタ』など)があります。また、DELIと一緒に『DELI presents チカチカ秘大作戦』というアルバムも発表しました。
さらに、「JOSEPH CACCIO E NA」という(いい意味でふざけた)名前を持っていて、この名前で客演している作品もあります(DABO『HITMAN』「授賞式」では、Dragon AshをDis)。


これだけヘンなMACKA-CHINですが、プロデュース業、トラックメイキングに関しては、なぜかいたって普通です。主にNITRO関連のプロデュースが多いようですが、意外な所で麻波25(懐かしい!)の『REMIX BOX+ONE』で、一曲Remixを担当しています(いろいろいわくはあったらしいですが)。