第498回 SUIKEN『HOT IN POT』

HOT IN POT

HOT IN POT

↑こちらをにらんでいますが、歌詞カードを開くとなかなか素敵な(?)笑顔のSUIKENがあらわれます


SUIKEN、ソロとしては久々のアルバムリリースではないでしょうか。『SCORE』以来ですから、4年ぶりです(ただし、昨年SUIKEN×S-WORDとして『HYBRID LINK』をリリース)。
今回は、NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDが勢揃いした曲があったり、聴き所もたくさんありますが、特徴的なのは、かつての『SUIKEN Presents Sixteen Starz Orchestra 2001(’75Til Infinity)』のように、D.O.I.、DJ WATARAIDJ VIBLAM、SUBZERO、DJ MISSIE、DJ HAZIMEJHETTMURO、DJ SPINA…と多彩なプロデューサー陣を起用しているところです。
また、ちょっとだけですが、SUIKENの声が変わりました。


やはり、このアルバムでの注目曲は、さきほども書きましたが、NITROのメンバーが結集した「NIGHT RIDERS feat. NITRO MICROPHONE UNDERGROUND」でしょうか。
しかし、これまでのNITROの曲と比べると変則的です。それぞれのメンバーごとにヴァースが分けられていますが、MACKA-CHINがごちゃごちゃ叫ぶだけだったり(まあ、MACKA-CHINですから…)、均等になっていません。
また非常に疾走感のあるトラックなので、DELIやGORE-TEXなどのインパクトある人たちがあまり目立たず、流れるように展開していきます。
私が注目したのは「ALL I NEED feat. SAKURA」で、女性ボーカルのSAKURAが良いです。オーソドックスな声ですが、どこか魅かれる声です。内容はよくありがちなラブソングですが、このSAKURAが気になります。


全体的には、たくさんのプロデューサーを起用した割には、妙に丸くおさまったなという感じがします。もっと曲に変化があっても良かったかなと思います。キャリアで言えば、中堅〜ベテランに差しかかろうというところだと思いますが、なんか小さくまとまってしまい、私の過大な期待をほんの少しだけ裏切りました。
すこし厳しい意見になりましたが、これはさらなる活躍を期待するものであって、やっぱりNITROのメンバーだけあって、きちんと磨かれていますし、クオリティの高いアルバムです。