第389回 L-VOKAL『LAUGHIN’』

LAUGHIN’

LAUGHIN’


SPHERE of INFLUENCE作品などで、多くの客演を果たしてきたL-VOKALのアルバムです。以前から名前くらいしか知らなかったアーティストですが(そもそもずっと「L-VOCAL」だと思っていた…。)、アルバムを聴いてただただ驚くばかりです。
こんなアーティストだったのか、と。


L-VOKALはスムースなフロウで聴きやすいスタイルなのですが、よくよく聴いてみると結構激しいことを言っていたりします。社会派(しかもちょっと過激派)なのです。私はいきなり「IRONY 24」でびっくりしました。
CDにはかわいいキャラクターの笑顔が描かれていますが、それは「SMILE」ではなく「LAUGH」であることもメッセージを感じさせます。
SORASANZENやm-floのVERBALやDef TechのShenもアルバムに参加していて、手に取りやすいアルバムではあるのですが、あまり安易な気持ちで聴けない曲も入っています。


DJ YUTAKAをフィーチャーした「ウェッサイvsセンターGUY」も面白いタイトルでどんな曲かな?と思いましたが、内容はそれほど笑えません。
タイトルからはセンターGUYに対するdis曲のように見えますが、単純にそうと言える曲ではなく、いろいろな方面に毒を吐いているようにも聴こえます。要は「”自分”を持て」ということなのですが、リリックに出てくる「モーニング娘。」にも軽く毒を吐いているような…


フロウに似合わず、こんな危険な男だとは思いませんでした。
本当は「ウェッサイvsセンターGUY Feat. DJ YUTAKA」の一曲だけ紹介しようと思っていたのですが、アルバム全部を聴いた方が良いと思ったので、アルバム一枚ごと紹介します。行き過ぎてあまり共感できない部分もありますが、説得力のある部分もありますので、ぜひ最初から最後まで聴いてみてください。