第５５３回 M.O.S.A.D.『IF I...』

If I...

これだけアーティストが増えると、全ての日本語ラップ作品を揃えるのは不可能だなと、最近になってようやく気付きました。
数年前なら「行ける！」と思いましたが、全国各地のインディーズ作品もありますし、その土地土地にしかない音源もあります。いかにインターネットが普及しているからといって（インターネットでしか入手できないものもある）、全部を把握することさえ難しいです。
だから、決めました。
（向こうから）出会った作品から聴いていこう、と。
そして、なるべくなら安い値段で購入しよう（どうしても欲しい場合は、その都度考えるが）、と（なぜなら、私は貧乏だから）。
そりゃ、欲しいCDはたくさんあります。でも、キリがないし、優先順位をつけるのも野暮に思えてくるのです。

もちろん、家で黙っていても出会うわけはないので、出会いを探さなければいけません。
そして、とある中古CDショップでM.O.S.A.D.の『IF I...』というシングルに出会ったのです。
105円、しかも、中古ではありながら未開封、いわゆる”新古品”というやつでしょうか。

このCDを見たときに、ふと思い出したのです。
そういや、M.O.S.A.D.のアルバム『THE GREAT SENSATION』をまだ聴いてなかったな。
こういうブログを書いている人間で、避けられない作品がいくつかあると思いますが、この『THE GREAT SENSATION』もその一つと言っていいでしょう。
「え？お前、『THE GREAT SENSATION』聴いたことないの？」と思った方も多いことでしょう。

でも、いいのです。
私はまだ『THE GREAT SENSATION』といい出会いをしてないのでしょう。
HMVやタワレコなどで見たことがないとは言いませんが、まだ”出会ってない”だけなのです。

以上、『THE GREAT SENSATION』を聴いてない女々しい言い訳でしたが、つい一週間前に来た時はなかったのに、思わぬ場所で見つけました。
M.O.S.A.D.の2002年にリリースされたシングルです。
アルバムはまだ出回っていると思いますが、シングルはあまり見たことがなかったので、購入しました。

しかし、これが2002年の作品とは、聴くと驚きますよ。
M.O.S.A.D.はワルですねえ。
それぞれがもし私が…だったらと想像するタイトルの「IF I...」は、想像なのか実生活なのかわかりにくいほどワルいですし、架空の人物（？）の"Custro the second"を描いたストーリーもの「Custro the second」やプロデューサーのDOPEMANを讃えた「Dopeman」からも相当のワルさが伝わってきます。
もちろん、各曲のトラックもワルいですね。
2002年の時点でこんなシングルをリリースしているとは、やはりM.O.S.A.D.は飛び抜けた存在だったのでしょうね。

TOKONA-Xの声もまだほんの少し若かったんですね。
思わぬところでTOKONA-Xに出会ったようで、亡くなっているのにまだ生きているような、不思議な気持ちになりました。

※3曲ともに、『THE GREAT SENSATION』に収録されてるんですね。もしかして、買って損した？