第504回  HIBIKILLA「Culture 365 feat. ZEEBRA」

NO PROBLEM

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ZEEBRAのアルバム『The New Beginning』の「Beat Boxing」で”道場破り”として乱入したレゲエDeeJayのHIBIKILLAが、今度はZEEBRAをフィーチャーした作品です。


この「Culture 365」は、HIBIKILLAとZEEBRAが、レゲエとHIPHOPの歴史をレクチャーした教科書みたいな曲です。韻を踏みながらも、的確に歴史を説明できているのがすごいと思います。
「365」は「毎日がレゲエやHIPHOPである」という意味で、「夏だからレゲエだ」とか「雑誌のHIPHOP特集号」というのはおかしいとも言っています。
最後には、HIBIKILLAのRespectする先輩として、ジョー山中氏からPapa U Geeに至るまでリリックにしています。
HIBIKILLAがレゲエに対して、真剣に真摯に取り組んでいることがよくわかる曲です。


一応、レゲエアーティストなので、この「japanese HIP HOP introducer」では、声を大にしては言いませんが、HIBIKILLAは好感が持てます。最近のアーティストの中では、本格派と言えますし、作品にもスジが一本ちゃんと入っています。
「本気と書いたら「まじ」と読むと見せかけといてから「ほんき」と読め」(「僕らはみんな生きている」より)という辺りは、面白い表現であると同時に、そういう考え方が好きです。
8曲めの「ありえない」では、さまざまな社会問題について「ありえない」と斬り捨てています。まあ、間違いなく地上波で放送されることはないでしょうが、「言葉狩り」の問題についてなどいいこと言ってます(それにしても、ズバリ言っちゃうあの占い師disの曲は多いですね。ネタにされやすいんでしょうね。参考『HEAT ISLAND』)。


少し思想的な部分があるので、完全に同調することはできませんが、なかなか面白い男です。