第467回 REAL STYLA『爆弾発言』

爆弾発言

爆弾発言


私が仙台に住んで、明日9月27日でまる一年になります。
私のことは、『ここが夢幻地獄』に書こうと思っていますが、HIPHOPに関して言うと、あるCDのことを思い出します。今回紹介する『爆弾発言』です。
この『爆弾発言』が、札幌に住んでいた時代に、いちばん最後に手に入れたCDなのです。別に、『爆弾発言』に特別な意味はなく、たまたまお店で見つけただけなのですが、「札幌での最後の一枚」ということで思い入れがあります。
札幌にいる時も、仙台に越してからも、レンタルも含め、たくさんの日本語ラップ作品を手にしてきました。結構な数があるのですが、なぜか、だいたい「どこのお店で手に入れたか」は覚えているし、この『爆弾発言』のように、当時のおおまかな状況も思い出す作品もあります。
この『爆弾発言』を買った時は、「これが札幌で買う作品の最後だな」(注:先日、札幌に里帰りして、中古屋で何枚か購入しているので、厳密に言えば最後ではない。札幌に住んでいた25年間で最後という意味)という思いでしたし、「仙台ではどんな作品に出会うか、楽しみだな」という思いもありました。


爆弾発言』については、以前にも書いてありますので、id:dmworldhh:20060201をご覧ください。


何度も書いてきていますが、REAL STYLAの押韻はすごいです。そして、太いです。なぜなんだろうかと考えてみました。
まず、三善善三(MMC三善)とQ(Mr.RR)が”太い”のです。外見からしてそうですが、やはりフロウが太いのです。2MCの割に、三善とQのフロウが似ていて、最初は区別がつきませんでしたが、似てる分、太さが倍増しているとも言えます。また、日本語にこだわり、英語は極力使わないスタイルも”太く”感じさせていると言えるでしょう。
それから、内容です。韻にこだわると、書けることが制限されてくるのですが、ちゃんと二人の熱い思いが伝わってきます。社会派な「汚染」や「現状」など、韻を踏んでいるのに、ごく自然な文章に聴こえ、文章になっているのは凄いと思います。「生命〜声明 feat. Q from RAPPAGARIYA」では、前半では三善が「生命」の尊さについて訴え、後半はQが「頑張って生きろ」という「声明」を出すという技巧も面白いです。


押韻といえば、「余談」も面白い曲です。「ヨダン」つまり「(子音)+O、(子音)+A、(+α)」という言葉でひたすら踏んでいきます。一応、文章にはなっていますが、とことん押韻にこだわっているため、不思議な文章になっているのも面白いところです。このシリーズは、後に「韻道」(三善善三『三善的大魔境』収録)、「わかるか?」(REAL STYLA『前代未聞』収録)などに続いていきます。


ふと思いましたが、これだけ歌詞が長いと、ライブの時などちゃんと歌詞を覚えているのでしょうか。大変な作業ですね。


明日から、仙台生活2年目です。これからどんな曲と出会うのか楽しみです。このブログも続けられるだけ続けようと思っています。(ほんとに)諸事情があり、新曲が聴けないので、新しい曲を紹介できないのが残念ですが、日本語ラップ10年以上の作品の中にも、まだまだ紹介してない曲がありますので、細々とやっていきたいと思っています。