第435回 BOY-KEN「CRUISIN’ THE NIGHT feat. BIG-O, GORE-TEX」

EVERYTHIN’IS EVERYTHIN’(CCCD)

EVERYTHIN’IS EVERYTHIN’(CCCD)


楽しい(?)8月も残り一週間となりました。夏も終わりそうです。
8月最後の一週間は、「レゲエアーティスト+HIPHOPアーティスト」の曲を特集しようと思います。


HIPHOPは夏も盛り上がりますが、やっぱり夏といえばレゲエでしょう。レゲエファンも数としては多いような気がします。CDの売り上げに関していえば、今年はMEGARYUやDef Techなどに火がつきましたから、レゲエに軍配が上がるでしょう。レゲエ人気熱は今後も冷めそうにありません。
私が考えるに、レゲエは敷居の低さに人気があると思います。音楽自体もそうですが、業界全体にピースフルな空気が流れていると思います。ポッと出の新人でも(多少、どこの馬の骨だと言われても)、盛り上げてしまえば勝ちです。ここがHIPHOPと違うところで、HIPHOPは、ちゃんと場数を踏んでいないアーティストがめちゃくちゃ盛り上げたとしても、たいていdisられます。たとえCDが売れたとしても、彼らをつま弾きにして、本流を守ろうとします。この流れが一概に悪いとは言いませんが、結果として、HIPHOPよりレゲエを見に行こうという流れになっているのではないでしょうか。
また、レゲエは良く知らなくてもライブに行きやすいのですが(よく知らなくても盛り上がれる)、HIPHOPは知らないとなかなかライブに行きにくいのではないでしょうか(ほんとは知らなくても盛り上がれるが)。こわい人もいそうですし。やっぱり、HIPHOPは第一印象が悪いですね。


さて、第一回目は、HIPHOPアーティストとの共演も大変多いので、BOY-KENにしました。
過去に何枚かの音源を出していますが、2004年にフルアルバム『EVERYTHIN’IS EVERYTHIN’(CCCD)』をリリースしました。正直、BOY-KENのレゲエ作品を初めて聴いたのはこの作品で、「あ、やっぱレゲエの人なんだ」と再確認しました。
ZEEBRAYOU THE ROCK★など、HIPHOPアーティストも何人か中盤に参加していて、どうレゲエのリディムに乗りこなしているかも聴きどころです。上手い人もいるのですが、今回紹介する「CRUISIN' THE NIGHT」のGORE-TEXが何と表現していいか…。彼はどこでも彼というか…。
このGORE-TEXを聴いていると、いっしょに参加しているBIG-Oもどうなんだろう…(うまく乗っているんですよ)、と思ってしまう不思議な曲です。しかも、プロデュースがDJ HAZIMEという、いわゆる”意欲作”という曲ですね。