第431回 XBS「LIFE -in memory-」

LIFE-in memory-(CCCD)

LIFE-in memory-(CCCD)


B-BOY PARK特集から一転、悲しい曲を。
このXBSの「LIFE -in memory-」は、若くして亡くなってしまった友人について書かれた曲です。友人の死と共に、残された者がどう生きていくか描かれています。


私の周りに亡くなってしまった友達はまだいませんが、若い世代が中心を担っているHIPHOPの割には、こういうR.I.P(Rest In Peace=安らかに眠れ)ものが多いのは意外です。有名な名前で言えば、TOKONA-XやKEISHIが若くして亡くなってしまったアーティストですが、スタッフや裏方、友人も含めれば、死んでいった人間も多いのでしょうね。幸い、日本のHIPHOPは平和なので、抗争に巻き込まれて射殺などというケースはなく、事故死や病死が多いようですが。


この暑い(熱い)盛りの八月は楽しいこともいっぱいありますが、日本の歴史を考えると、悲しい出来事もいっぱいありました。「人間、いつ死ぬかわからない」ということはわかってはいるものの、なかなか「一日一日大切にして生きているか」と問われると、困ってしまいます。夢途中に命を落としてしまった人もたくさんいることもわかっているのですが、人間はそうはうまくできてないものです。


hookの「残された物たち繋ぐかたち 手と手を合わせて祈る幸」が印象に残ります。XBSの低音であまり変化のないフロウが、曲全体に対して落ち着いた印象を与えています。NITROのメンバーの中ではあまり目立たない方のMCですが、これはXBSだからこそできた好曲です。ジャケット写真もいいですね。