第418回 AKEEM『1974221』

1974221

1974221


今回は、タイトルが数字のみという珍しいCD『1974221』を紹介しましょう。
かつてUBGに所属し、ZEEBRAなどの作品での客演も多かったのですが、その中で数少ないAKEEMのソロ名義のものです。残念ながら、現在はほとんどAKEEMとしては活動していません。上手いラッパーなのに残念です。


さて、この「1974221」とは、どうやらAKEEMの生年月日のようです。CDのまさに一曲目(つまり、誕生)を聴くとわかります。ZEEBRAプロデュースのトラックも聴きやすい曲です。


2曲めの「音楽ノ*♯@」は短いですが、ところどころ「@♯」「%」などと歌詞カードに記載され、音声が何を歌っているかわからないように編集されている、ちょっと面白い曲です。想像するに、そんなにヤバい言葉ではないと思いますが、前後の押韻から何と言っているのか想像するのも面白いでしょう(それにしても、この声の消し方は個人的にものまねしたくなります)。


3曲めは、「UBG EXPRESS」というUBGファンには嬉しい曲。地味にOJ & STも参加しており、「UBG EXPRESS feat. OJ & ST」と表記してもいいでしょう。「このトラックの一部、どこかで聴いたことあるな」と思って、しばし考えていたらわかりました。ゼットンの泣き声です。
アクション怪獣シリーズ ゼットン
プロデュースはINOVADERですが、時々(でもないか)あまりHIPHOPぽくないトラックを作りますね。INOVADERは、「KINGS OF DA HILL」(『Synchronicity』収録)でもウルトラマンからセリフをサンプリングしています。
4曲目は、その『Synchronicity』に収録されている「病んだ視点」のイルマナグRemix(Remixed by DJ CELORY)が収録されています。


ちなみに、今作は「AKEEM」という表記ですが、客演作でいろいろ名前を変えて参加していますので、それも一つ楽しみにしてAKEEM作品を探してみてください。AKEEMという名前は入っていますが、やたらに長い表記もあります。