第395回 KEY OF LIFE「But My Love」

But My Love

But My Love


昨年の話。
まだ私が実家に暮らしていた頃の話です。
うちの母親は朝からFMラジオをつけっぱなしにして家事をこなすのですが、私が9時ごろ起きてきた頃、ラジオからある曲が流れてきました。
私はほとんどFMを聴かないし、しかも、朝のさわやか系番組なんてまず聴くこともなかったのですが、なんとなく聴いていたら、男性のラップが聞こえてきました。
「主婦が聴く時間帯なのに、ラップって珍しいな」と思いつつ、誰の曲か頭の中で検索していたのですが、「あれ?聴いたことないな」。
ラップはたぶんGAKU-MCっぽいんだけどなあ、とわかったのですが、当時、GAKU-MC名義でもEAST END名義でも新曲の予定はありませんでした。
曲の途中から聴いたようで、誰の何というタイトルの曲かわからず、またぽっと出の新人グループか、と合点して、そんなことはすっかり忘れてしまいました。


数日後、放送された曲は検索できるシステムがあることをふと思い出して、気になって検索してみると、KEY OF LIFEの曲だとわかりました。


曲のタイトルなんて忘れ、はたまたどんな曲かもすっかり忘れて、今年5月。
「そういえば、KEY OF LIFEとGAKU-MCの曲あったよなあ」とふと思い出し、「あるかな?」とCDショップのカ行の棚を探していたら、偶然にも発見しました。


すっかり前段階が長くなってしまいましたが、このCDと私の出会いは、実に一年越しのドラマ(大したドラマじゃないけど)なのです。


今聴いても「あの時聴いた曲か?」と思うくらい、当時の耳の記憶はありませんが、朝聴くにはぴったりの曲です。しかも、FMの朝放送でかけるのにぴったりです。
それもそのはず、STYLISTICSの「CAN'T GIVE YOU ANYTHING (BUT MY LOVE)」がサンプリングされているからです。洋楽に詳しくない私のような人間でも、聴けば「あの曲ね」とわかる有名な曲です(『Very Best of & More』など多数収録作品あり)。
トラックがトラックですから、GAKU-MCのラップもぴったりハマっています。朝から気持ちよくラップが耳に入ってくるタイプのラッパーは少ないと思いますが、こういう作品はやはりGAKU-MCは強いですね。


97年リリースのシングルなので、手に入りやすいかどうかわかりませんが、気になる方は、お聞きのFMラジオの朝の番組でリクエストしてみてください。