第393回 V.A『悪名』

悪名(あくみょう)

悪名(あくみょう)


私はたまに昔のHIPHOPコンピレーションアルバムを聴きたくなる時があります。自分がダメだなあ、と思う時です。
「もう26にもなるのに、まだ立派な大人になれていない」。こう思ったところで何かが始まったり、良くなったりすることもなく、無駄なことなんですが、そんなことはわかっていても、どうも私はネガティブシンキングなのです。
そういう時に、『悪名』や『続悪名』などを聴くのです。


今から10年近く前にリリースされたコンピレーションアルバムです。この中には、現在、第一線で活躍しているアーティストのデビュー作に近いような作品が入っています。
まだまだ駆け出しの頃、誰もがデカくなりてえと思い、デカくなれる保証なんてどこにもないのに、夢を信じて無心に曲を作った。そんな状況を自分にも投影したくなるのです。


10年前と今では、技術的に進化している部分もあるので、古さを感じさせる部分もありますが、今でも光り続ける曲もあります。以前にもこのブログで紹介した「飛んで火に入るWACK M.C. / HILL THE IQ featuring ZEEBRA」などは、全く色褪せがなく、今でも好きな曲です。


ZEEBRATWIGYラッパ我リヤRINORINO LATINA II)は今でも第一線で活躍していますし、現在は違うグループで活動している人たちもいたり(KICK THE CAN CREWMCUもRADICAL FREAKS名義で参加していることは今でも驚き)、最近はリリースがないアーティストもいたり(別の分野で活躍していたり)と、その後の人間模様を考えるのも、一つの楽しみ方です。


この『悪名』と続編の『続悪名』は、やはり”クラシック”と言える作品集で、古い作品ですが、何度も再発されているので、今でも手に入りやすいと思います。

悪名

悪名

続・悪名

続・悪名


悪名

悪名

続・悪名

続・悪名


“悪名/続・悪名”(限定2枚組ボックスセット)

“悪名/続・悪名”(限定2枚組ボックスセット)