第343回 ラッパ我リヤ「交通警報」

スーパー・ハード

スーパー・ハード


HIPHOPには、社会に批判的メッセージを送る曲は多いですが、交通事情に対しての曲はあまり多くありません。
その少ない中、クルマ社会を批判しているのがラッパ我リヤの(実際はQのソロ)「交通警報」です。


車を頼りすぎていることによっておきる渋滞の問題、大気汚染について怒っているわけですが、どうもQが渋滞に巻き込まれてイライラして車の中で作ったっぽく聴こえるのは、hookがキングギドラの「大掃除」(『空からの力』収録)の声ネタ「ああ もうやだ」をサンプリングしたものだからでしょうか。
ZEEBRAのイライラした「ああ もうやだ」が、渋滞で立ち往生したドライバーの気持ちを代弁しているようにも聴こえます。
私は車を運転しないので、あまりこの気持ちはわかりませんが、イライラした時などたまに、この「交通警報」の「ああ もうやだ」が頭の中に流れてきます。


ただ、1998年に発表された曲なので、現在の交通問題と比較すると少々ズレがあるように思います。渋滞はあまりなくなっていないかもしれませんが、それほど問題視されることもなくなりました。最近は、環境に優しい自動車も出てきましたし、交通事故死者も減りつつあります。
しかし、渋滞に巻き込まれてしまった時の「ああ もうやだ」という気持ちは今も昔もあまり変わらないと思いますが。