第276回 MURO「感謝」

MICROPHONE PAGER

MICROPHONE PAGER


先日(id:dmworldhh:20060303)紹介した、くレーベルのコンピ盤『【其の二】100%RAP』を聴いていたら、この曲に関するリリックが出ていましたので、今回紹介することにしました。
MUROはキャリアが長い上に、現在も第一線で活躍し続けるアーティストなので、クラシックと呼ばれる作品もたくさんあるのですが、個人的には、MURO=「感謝」という感じはしません。ただ、やはり有名な曲です。


この作品の発表は古く、MICROPHONE PAGERで活動していた頃のMUROのソロ作品です。おそらく、初出はアナログだと思いますが、その後に(とはいっても1997年)リリースされた『MICROPHONE PAGER』(過去の作品を集めたベスト盤のような作品集)か、MUROのベストアルバム『BACK II BACK(2)-MURO BEST ALBUM VOL.2-(CCCD)』で聴くことができます。
MICROPHONE PAGER』は、アルバム自体が日本語ラップのクラシックなので、アルバムそのものをお勧めしますが、リリース時期が古いので手に入りにくいかもしれません。
私はアナログを聴けないのでわかりませんが、もしかしたらアナログの方が案外手に入れやすいかもしれません。


曲は、街なか(と思われる)での、TWIGYとP.H.FRONとのフリースタイルからはじまります。
そして、メインの曲につながりますが、最初から最後までMUROの感謝の気持ちがいっぱいにあふれています。何度「感謝」という言葉が出てくることか。
ただ、あまり劇的な演出がないので、テーマ的にはアルバム中のSkitやEndingみたいな曲です。


HIPHOPでは「リスペクト」という気持ちが大切で、よく使われると思いますが、考えてみれば、全編「感謝」の曲も案外少ないと思います。この曲でMUROは、親や仲間たち、そしてHIPHOPに感謝の意を表しています。


本曲とはズレますが、アルバムの最後のクレジットあたりに書いてある、アーティストの感謝する人たちを列記しているコーナーが、私は好きです。
もちろん、私の知らないような、お店やレコード会社関係の人、エンジニア関係の人、親族や家族の名前も書いてあったりするのですが、主にはHIPHOPアーティスト仲間が書かれています。
アルバムで共演したゲストや同じクルーの仲間などが多いんですが、たまに、なぜこのアーティストとつながっているのだろうということがあったりして、ちょっと楽しみにしています。主に、POPフィールドで活躍しているアーティストが、アングラバリバリの人たちに「Peace To〜」など書いてあったりすると、「なんだかんだ言って、案外仲いいじゃん」などと思ってしまいます。
私もいつかあそこに書かれるような人間になりたいと思うのですが、なかなか難しいでしょうね。
MUROさんのアルバムに書かれたら、末代まで自慢すると思いますが。