第267回 ECD「ECDのロンリー・ガール featuring K-DUB SHINE」

ビッグ・ユース

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卒業シーズンが近づくと、やはり巷にも卒業ソングが流れたり、卒業ソングがリリースされたりします。HIPHOPはあまり卒業は関係ありませんが、今年は加藤ミリヤの「ソツギョウ」が話題になっています。加藤ミリヤがこんなにも有名になるとは思いませんでした。今では「めざましテレビ」の芸能コーナーにも登場する位です。軽部真一アナウンサーの口から「加藤ミリヤさん」という言葉が出るとは。彼女のますますの活躍を期待するばかりです。


彼女自身が女子高生とあって、女子高生ならではの視線で書かれた詞が同世代のリスナーに受け入れられているようです。以前、「ディア ロンリーガール」がリリースされ、こちらも話題になりましたが、元は、今回紹介するECDの「ECDのロンリー・ガール featuring K-DUB SHINE」です。この曲に対してのアンサーソングです。
ちなみに、「ECDの」とありますが、ECDヴァージョンも実は元ネタがあって、佐東由梨さんの「ロンリー・ガール」をサンプリングしています。80年代のアイドルなので、音源を手に入れるのは難しそうですが、はまぞうで調べてみますと、『アイドル・ミラクルバイブルシリーズ 沢田富美子・佐東由梨・沢田玉恵』に収録されている「ロンリー・ガール」が手に入りやすそうです。


ECDヴァージョンは、援助交際など性が軽視されている状況で、もっと身体や自分を大事にしなさいという目線からの曲です。1997年リリースの曲ですが、それから8年後に加藤ミリヤの「ロンリー・ガール」がリリースされました。ECDは大人(おじさん、お父さん)目線だったのに対し、加藤ミリヤはその目線に対する女子高生の心を歌いました。
私は世代としてはECD側に近いこともあって、ECD側の意見を支持しますが、しかし、加藤ミリヤの意見も理解できます。女子高生とは言っても、説得力はあります。


曲としても対称的で、女の子の名前を羅列するリリックがあるのですが、97年と2005年では名前が変わっています。今っぽい女の子の名前になっていますが、確かに97年だとしても、名前が古くさいです。


ラッパーはどういうわけか年齢を感じさせませんが、ECDK DUB SHINEも案外、年は行っていると思います。現役女子高生に「ウザい」と言われておかしくないかもしれません。