第２６５回 T.A.K THE RHHHYME「Sweet Memories」

※曲は、T.A.K THE RHHHYME『CITIZEN OF THE WORLD』に収録。CDは一般には流通してないようで、入手はhttp://www.rimagreenrecords.net/からできます。一応、念のため断っておきますが、このブログからhttp://www.rimagreenrecords.net/にリンクをたどっても、このブログには金銭等のメリットは何にもありませんので、安心してクリックしてください。広告ではありませんよ。

名手T.A.K THE RHHHYMEのアルバムからです。たいへんな傑作だと思いますが、私があまり聴きこんでいないので、あえて一曲を選びました（もちろん、ちゃんと最後まで聴いていますよ）。せっかくのアルバムなのですが、主にHPで販売されているようで、手の入りにくさから言えば残念なのですが、「本当に聴きたい人だけ来てください」というような姿勢も理解できます。

客演を抑えた構成で、T.A.K THE RHHHYME（ラーイムと読む）のラップを堪能できますが、主にT.A.K THE RHHHYME自身がプロデュースしたトラックの面ではHIPHOPという概念でとらえるには狭すぎます。本作「Sweet Memories」や「夜の散歩」「夜明けの街」などには、なんとJ-POPからのサンプリングが効果的に使われています。

歌詞カードに、サンプリング元が書いていないので、断定はできませんが、ネットなどで調べてみると、どうやら元ネタは本田美奈子（本田美奈子.）さんのようです。曲名は「APERITIF」という曲らしく、『本田美奈子BOX』などに収録されています。

本田美奈子さんがまだ生きていた頃に制作された曲ですが、「Sweet Memories」とは何と皮肉なタイトルです。本田美奈子さんの歌はそのままhookとして効果的に使用されています。曲自体は、男性側から見た恋愛回想録ですが、彼女の死を考えると、どうしてもそれ以上の曲に感じてしまいます。彼女の死を予言していたのではないかと思うくらい、実に運命的な曲です。トラックもせつなげな、この「Sweet Memories」は本田美奈子ファンも必聴の曲です。