第250回 キングギドラ「ドライブバイ」

UNSTOPPABLE

UNSTOPPABLE


このブログも(日付を無視し続けて)250回となりました。250回を記念して、しばらくは、入手しにくい(不可能な)CDを紹介していこうと思います。


まず、記念すべき250回目は、キングギドラの「ドライブバイ」を紹介しましょう。有名なCD回収騒動で、回収されてしまったCDに収録されています。
キングギドラが活動再開する時に『F.F.B.』と『UNSTOPPABLE』の2枚のシングルを出しました(『9.11』『ジェネレーションネクスト』リリース時も、なぜかミニ・アルバムとしてリリースしない)。
しかし、運の悪いことに「F.F.B.」と『UNSTOPPABLE』に収録されている「ドライブバイ」の歌詞が問題となり、2枚とも回収され、のちに問題ない曲を集めて『UNSTOPPABLE』として、リリースされています。
当然、今でも流通しているのはこちらの方です。


それまで、『空からの力』『影 (行方不明/真実の弾丸/空からの力・リミキシーズ)』は聴いていたのですが、リアルタイムに活動開始することを知り、2002年当時大学生だった私は、キングギドラ復活を楽しみにしていました。
CDがリリースされて、しばらくしてから聴こうと思っていた私は、回収騒動のニュースを知り驚き、自転車で奔走した思い出があります。
急いで何店舗も回って、それぞれ違う店で1枚ずつ手に入れました。


「F.F.B.」は、その後、問題箇所の部分だけ削除され、アルバム『最終兵器』に収録されます。その他の部分は全く同じなのですが、かえって、そのZEEBRAのフレーズがないぶん、テンポがずれます。
そして、「ドライブバイ」に至っては、編集やRemixされることなく消えて、今では幻の一曲となっています。hook全体が問題のため、hookを削除したり変更しても、曲の意義がなくなりますから、お蔵入りとなってもやむなしでしょう。


「ドライブバイ」は、同性愛者の団体から抗議が入ったようです。曲自体のテーマは同性愛者を差別するということでは決してないのですが、言葉の選び方がまずかったのだと思います。
歌っている側とすれば、差別する気がないわけなので、腑に落ちない部分もあるかもしれませんが、歌詞の一部に差別表現が使われているとしたら、やはり、被差別者は憤りを感じるでしょう。私もキングギドラにそういった差別をする気はないと思いますが、表現は過激すぎると思いますし、やはり、酷いと思います。せめて、ピー音を入れるなどの処理はしてほしいと思います。
曲自体は、割と落ち着いたトラックに、かなり激しいリリックが飛び交います。まさに「ドライブバイ(車から撃ちまわること。HIPHOP用語のようです)」といった感じで、今までの活動休止時代のうっぷんを一気に晴らすかのようです。
幻の曲となりましたが、その一部のリリックは(もちろん、問題ない箇所)、「UNSTOPPABLE DJ WATARAI REMIX」にサンプリングとして残り続けます(『9.11』収録)。


2枚のCDは、理由が理由なので、どちらも正規ルートでは入手できないと思います。回収騒動があった後、今から何年か前に、普通に中古CDショップに置いてあったのはびっくりしましたが、今はありえないでしょう。どうしても手に入れたい人は、ネットオークションで手に入れるくらいしか手段はないかもしれません。