第228回 V.A『Break Audio Dynamite』

Break Audio Dynamite

Break Audio Dynamite


日本のHIPHOPのコンピレーション・アルバムも大変多くリリースされるようになりました。すでにリリースされている音源から寄せ集めただけのコンピ盤もあれば、豪華メンバーが集まって、なおかつ、新曲を収録しているというファン泣かせの作品もあります。
私は、コンピ盤にはただ寄せ集めるだけでなく、一定のテーマを持って曲を収録して欲しいと思っています。


今回、紹介するのは2000年にリリースされた(もう6年も前!?)『Break Audio Dynamite』です。全部で8曲収録されているのですが、参加しているアーティストがちょっとバラバラな感じもします。
曲の順番から言うと、

  1. 刺激的 / RAPPAGARIYA
  2. Money T-rap / DOHZI-T featuring K-DUB SHINE
  3. to my men / CUE
  4. welcome 2000 / INNOSENCE
  5. VISION / ALPHA
  6. one for the what, two for the who / KICK THE CAN CREW
  7. いきる運命 / DOHZI-T
  8. ORIGINAL TOKYO / Justy Ace

で、数で言うと、FG勢が多いですが、DOHZI-T(童子-T)の曲が2曲あったりします。一見すると、ちょっと不思議なコンピ盤ですが、私にとってみれば、ともかくも好きなアーティストが揃っていますから、満足です。


DOHZI-Tの「Money T-rap」は、アトミックボムK DUB SHINE童子-Tの初カラミ作品ではないでしょうか。残念なことに、K DUB SHINEはこの曲ではhookのみです。
「one for the what, two for the who」はその後、Part 2(『young animal e.p.』収録)、Part 3(『VITALIZER』収録)と続きますが、最初はこのコンピ盤に収録されています。
このメンバーの中では、ちょっと聴き慣れない名前かもしれないJusty Aceですが、「ORIGINAL TOKYO」は他の曲に決して負けない作品です。最近は、JA飛龍という名前で、他のアーティストの客演作で名前を見ることができます。


余談ですが、もう6年前のCDですが、時間が経つと、こういったちょっと昔のCDは手に入りにくくなるのではないかと心配してしまいます。おそらく、新品の状態でCDショップで手に入れるのは難しいでしょう。この手の作品を大手のCDショップが、今でも棚に並べておくことはないと思います(売れ残り続けているという可能性はありますが)。
こういう昔の作品でも、ダウンロードしてipodなどの携帯プレイヤーに入れることができる時代なのかもしれませんが、私はまだダウンロード音楽には抵抗があります(かつての、レコード愛好家のように)。
CDやレコードで欲しい人は、なるべく早く中古CDショップなどで探しておいたほうがいいのではないでしょうか。今すぐCDやレコードが無くなるとは思いませんが、遠い将来、CDが過去の遺物になるような気がしてなりません。