第216回 V.A『BREAKS & BEATS Disney』

ブレイクス・アンド・ビーツ・ディズニー

ブレイクス・アンド・ビーツ・ディズニー


「あのディズニーが公式にサンプリングを許可した」ということで、日本屈指のHIPHOPアーティストがRemixを担当した、カリフォルニア・ディズニーランド・リゾート開園50周年を記念したアルバムです。
ちょっとイロモノっぽいですが、ものすごいメンバーが集まっています。
ZEEBRAMURO、DJ HASEBE、DJ MASTERKEY、Mr.BEATS a.k.a. DJ CELORY(SOUL SCREAM)、DJ JINDJ WATARAI、tsutchie(SHAKKAZOMBIE)といった名前が連なりますが、KEMURI PRODUCTION関連の曲が多く収録されていたり(あのLAMP EYEも)、DEV LARGEMACKA-CHINO.N.Oといった本気腰のアーティストまでいます。


まさにディズニーとHIPHOPのコラボレーションといったところですが、私は期待が大きすぎて、あんまり満足できませんでした。融合というよりは、これはディズニーの作品です。
私はてっきり、ディズニーからサンプリングしたトラックに、多彩なMCがラップを乗せるのかと思っていたら、ほとんどがインスト曲です。恐れをはばからず、ラップ(ボーカル)を入れているのは、TWIGYLAMP EYEDJ MASTERKEY(feat. JiN & CORN HEAD)のRemixぐらいです。


私としては、HIPHOPの太いところを期待していたので、少し残念です。ディズニーとのかねあいで、あまり”汚す”ことはできなかったのでしょうか。
ただ、ラップよりもトラックメイキングに興味のある方や、単純にディズニーが好きな方はオススメです。やはり、このメンバーが集まった価値はあります。HIPHOPアレルギーの人も、全然怖い感じに仕上がってませんので、安心して聴いてください。


あと、Remixのタイトルの付け方がちょっと面白いです。「IT'S A SMALL WORLD」は、MUROによって「It's A Muro's World Remix」になってしまいました(だからこそ、K.O.D.P.のマイクリレーを期待してしまった)。ZEEBRAは「ALICE IN WONDERLAND」を「Alice in Underground」にしてしまいました。不思議の国のアリスも、ちょっとかわいそうです(笑)。