第165回 Li-ZELL「クリスマスキャロルの頃には2002」
- アーティスト: Li-ZELL,秋元康,清水信之
- 出版社/メーカー: ユニバーサルJ
- 発売日: 2002/11/27
- メディア: CD
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クリスマスが近づいてくると、テレビやラジオなどでやたらクリスマスソングが流れ出します。HIPHOPでクリスマスと言えば、KICK THE CAN CREWの「クリスマス・イブRap(asin:B00005QYU8)」が有名でしょう。この曲のおかげでKICK THE CAN CREWの人気に火がついたとは思いませんが、今でもこの曲が流れてもおかしくはないでしょう。
それから一年後、“二匹目のどじょう”を狙ったのが、このLi-ZELLの「クリスマスキャロルの頃には2002」と言えるでしょう。しかし、これがエラい勢いでスベりました。ラップ自体はそれほど下手でもないのですが、この商売根性がミエミエすぎたのが評判を下げたのでしょう。
HIPHOPでは往々にサンプリングという手法を使います。しかし、「大ネタ」と言われる、誰でも知っているフレーズを使うのはかなり勇気が必要だと思います。みんなが知っているということは良い曲ですから、それを用いるということは、さらに良い曲を求められることになります。稲垣潤一の「クリスマスキャロルの頃には」は、R&BやHIPHOPファンでなくても、国民的に知られている曲ですから、重圧に潰された感じです。
また、まだラップに抵抗のある人は多いので、別にラップ入れなくていいじゃん、と思われてしまいます。これはKICK THE CAN CREWの場合にも言えたことですが、やはり一番最初にやったから助かったところもあると思います。
そもそもHIPHOPはオリジナリティを求める傾向にありますから、二番煎じの曲はかなり評価は低いのです。
カップリングの「missing you」はちゃんとした作品になっていますから、こっちをA面にした方が、後から考えると、良かったかも知れません。この曲を発表した後は、あまり「Li-ZELL」という名前を聞きません。
今年の冬もラップのクリスマスソングがリリースされます。TAKAの「クリスマスキャロルの頃には」です。何年か時間は経っていますが、このリリースは吉と出るか凶とでるか。