第97回 嶋野百恵&Mummy-D『Lesson』

Lesson

Lesson


以前テレビを見ていて、非常に感銘を受けた言葉があります。俳優の藤田まことさんが言ったのですが、夫婦円満の秘訣は?と聞かれて「何気なく、さりげなく、尻にしかれる」と答えました。
そうなのです。これはかなり真を突いていると思います。深いです。
男と女は、同じ人間でありながら、どうして違うのでしょうか。私は小学校のころからつきあっている男の友達がいますが、けんかをしたという記憶がありません。男と男の友達関係であれば、滅多なことではけんかはしませんし、衝突することすらありません。
ところが、男と女だったらどうでしょう。ふだんどれだけ「大好きだ」「愛してる」と言い合うカップルでも、必ず意見が衝突し、場合によってはけんかに発展します。


この曲は、そんな恋人どうしのけんかが描かれていますが、実にリアルです。私も長いこと一緒にいる彼女がいますが、やはり意見が衝突します。が、ここまで壮絶なけんかはさすがにしたことありません。


男と女のけんかは、力勝負であれば男が勝つのですが、それが本当に「勝ち」かというと、必ずしもそうではないのが難しいところです。
だから、男はぐっとおさえて、相手に勝たせるのです。より正確に言うと、勝った気分にさせるのです。そうすると、女性側は満足だし、そもそも男は別にけんかなんかしたくないわけですから、収拾つかなくなった争いも終わるわけで、それでいいわけです。
だいたい、男と女の争いの原因は、男が一方的に悪いか、両方に非があるかのパターンしかないのです。女性が一方的に非があることはない(と、女性は思っている)のです。


私の場合は、怒られたら必要以上にヘコむという高等戦術があります。女性が私に100のダメージを与えようとすると、500くらいのダメージを受けて、瀕死の状態になったふりをします(ドラクエで言うと、数字が茶色になるイメージ)。彼女は、100のダメージさえ受けてくれればいいのですし、そんなにヘコまれると次の攻撃ができないわけですから、戦闘は終わります。


ヤバい。何書いてんだ、俺。彼女も見てるのに。そんなこと、id:dmworldに書けよな。


さて、曲に戻りますが、嶋野百恵もさることながら、Mummy-Dのラップが冴え渡ります。ラップ中に、「Roots」、「45°C」、「スモーク」、「Hot Glamour」、「Jr.Butterfly」など、過去の嶋野百恵作品を折り込み(

ヴァージョンだと、トラックもその曲に変わる)、実に巧みです。