第57回 BIG Z「ANIMAL」

WESTSIDE FAR EASTSIDE

WESTSIDE FAR EASTSIDE


HIPHOPにはいろいろな魅力がありますが、その一つに「dis」があります。
ラップの中で、気に入らないモノの悪口を言うのです。
私は、これは一種の「切磋琢磨」というか、なんだかんだでお互いのスキルアップのためにあるものだと思ってましたが、最近は、ほんとに「スキキライ」でdisというものがあるような気がしています。
ただ、気をつけてほしいのは、disはあくまで曲の中であってほしい。
日本ではあくまでも平和的にやりあってほしいものです。


dis曲の中には、においで誰かわかる場合と、名指しで明らかにわかる場合があります。
HIPHOPのMCは、基本的に「自分が一番」と思っています。つまり「他のMCはダメ」となり、いかに自分がすごくて他がニセモノであるかというリリックが多いのです。
ですので、何でもかんでも「この人のdisだ」と決めるのは、私は良くないと思っています。
確固たる証拠がないと。


今回の曲は、明らかに名前が入っています。ZEEBRASPHERE of INFLUENCEK DUB SHINEです。
しかし、これが微妙なところなのです。
歌詞を載せるのは止めますが、SPHERE of INFLUENCEについては、どう考えても悪口です。
ZEEBRAは認めているフシも感じられますが、以前のNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDSTRAIGHT FROM THE UNDERGROUND』の「毒々」では、ZEEBRAをdisっているようです(歌詞カードがないので、何とも言えないが)。
ただ、確かZEEBRAベジタリアンだったような気がするので、とするとdisされてます。
K DUB SHINEもわかりません。文句はあるけど、まあいいか。そんな感じです。
他にも、はっきりした名前はありませんが、まだ文句をつけたい人がいそうな気もする曲です。


この曲で一番表現したいのは、別にdisではないので、あやふやで構わないのですが、どこか釈然としない曲です。しかし、最低でも、SPHERE of INFLUENCEにはアンサーソングを出してほしい。売られたけんかは買ってほしいです。
K DUB SHINEと般若、K DUB SHINEDEV LARGE、DABOと漢などdisり合いも見物です。見てる(聴いてる)分には、disは面白いのです。HIPHOP業界も活性化するのです。


BIGZAMからBIG Zと名前を変え、海外からWarren-Gをプロデューサーに迎えるなど、アルバム自体は意欲作ですが、個人的にはすっきりしたラップよりも、前みたいにガナるラップの方が好きだったりします。