第37回 RAPPAGARIYA「言葉の科学 REMIX」

ジャパニーズ・ヒップ・ホップ・フレイヴァ!

ジャパニーズ・ヒップ・ホップ・フレイヴァ!


たまには、バカな(失礼)作品を。
この曲はアナログでしか発売されてないようで、CDで聴くには、このコンピ盤しかないかもしれません。
私もつい最近聴いたばかりなのですが、この曲のところどころのフレーズが、後の作品にサンプリングされているので、ラッパ我リヤ作品の中では名クラシックと言えるかもしれません。


HIPHOPミュージックでひとつ面白いのは、サンプリングです。ほんとに音楽に詳しい人であれば、曲(トラック)を聴いただけで、マニアックなアーティストの何何という曲だ、と当てることができます。
私は洋楽は全然ダメなので、明らかにわかる「大ネタ」ものもありますが、ほとんどわかりません。
もうひとつサンプリングするのは、声(ラップ)です。これも外国作品からサンプリングすることもありますが、日本のHIPHOPの作品からサンプリングする場合が多いです。
しかも、「聴いたことがある」、さらに「誰々の何何という曲のフレーズだ」とわかると、ちょっとした優越感に浸れます。
もちろん、聴いたことなくてもインターネットとかで調べればわかりますが、自分の耳だけでわかると、「俺もたくさん聴いてきたんだなあ」と感じます。
自分だけの喜びですが。


この曲はREMIXじゃなく、オリジナルでも、キングギドラの『空からの力』に収録されている「大掃除 feat. T.A.K The Rhymehead」のK DUB SHINEの「言葉の科学を駆使したMC」というフレーズが、サンプリングされているのですが、REMIXの方が強烈。
クラッチも入っているので、「ことばのかっかがく かっかっかがく かっかがく かっかっかがく かっかがく」みたいに、なんのために「かっかっ」言わせてるのかわかりません。
取りようによっては、バカにしているみたいに、「かっかっかっかっ」言ってます。


K DUB SHINEが「かっかっ」言わされている、純粋にサンプリングという技術を楽しめる作品で、簡単に言うと、HIPHOPを聴いて爆笑したのは、これがはじめてです。


ちなみに、この曲を聴いておくと、後に出たアルバム『スーパー・ハード』に収録されている「言葉遊び」で見事にすかされるからくりが楽しめます。冒頭は「言葉の科学 REMIX」と思わせておいて、K DUB SHINEが「ことば…」と言った途端に、「あそび」と山田マンのサンプリングが入って、曲が始まります。
この「言葉遊び」もすごい曲なのですが、また機会があれば、感想を書きたいと思います。