第35回 LL COOL J「QUEENS (REMIX) feat. DABO」

G.O.A.T.Japan Edition

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日本人HIPHOPアーティスト(特にDJか?)が、自分のアルバムに外国人アーティストを呼ぶことはよくあります。しかし、誰もが知っているビッグネームアーティストが参加しているのは、ほとんどないでしょう。
逆に、アメリカのHIPHOP作品に日本人が参加するのもほとんどありません。
アメリカの大会で、日本人DJが優勝する時代ですから、もっと交流があっても良さそうですが、まだまだ本場と日本には差があるようです。
私がその壁を感じたのは、この曲です。
LL COOL Jと言えば、私でも知ってるくらい有名な、人気HIPHOPアーティストです。そこに、何とDABOが参加しているのです。
といえば、すごい話ですが、これが、どうやら日本版だけらしいのです。
予測ですが、この頃、アメリHIPHOPで有名なDef Jamというレーベルが、日本にもDef Jam Japanとしてできたのです。その第一号アーティストがDABOだったので、その流れでできたのだと思います。
そして、曲なのですが、REMIXということもあるのでしょうが、DABOのヴァースをただ切って貼った感じがして、うまくからんでいません。
下手したら、本人どうし顔も合わせないうちにできあがったような、そんな感もあるくらい、DABOファンにしても「何だかなあ」という思いにかられるのではないでしょうか。


Def Jam Japan第二号はS-WORDで、同じような流れでCHRISTINA MILIANとコラボレーションしています。『THE ANSWER』です。これは、かっこいいです。アメリカのHIPHOPはいいけど、日本語ラップはちょっと…という人もすんなり聴こえてくると思います(もしかしたら、海外のプロデューサーかもしれません)。
そのお礼という訳ではありませんが、今度は逆に、S-WORDCHRISTINA MILIANのアルバム『It's About Time』に参加しています。「DIP IT LOW」のまたまたRemixですが、DABOよりひどくないものの、やっぱり噛み合ってない感があります。


日本から見ると、アメリカはよく見えます。しかし、世界各地でHIPHOPが広がっている現在、アメリカにとってみれば、日本は他の国と区別がつかないくらい小国だと思っているのでしょう。
私は、日本のHIPHOPで、DJやトラックメイクについては、アメリカに負けないくらいの高いレベルはあると思っています。
しかし、ラップについてはまだまだ差があります。でも、それは英語と日本語の音声構造上、仕方のないことなのです。
じゃあ、英語でやるか、というと、そういうことでもないと思います。
かのアフリカ・バンバータも言っていたそうですが、日本人なら日本語でラップをするのは当然だし、何にも悪いことではないのです。
まだまだ差(違い、壁)があるとはいえ、そう悲観することはありません。