第31回 LITTLE『LIFE』

LIFE

LIFE


KICK THE CAN CREWが活動停止してから、それぞれソロ活動を開始、MC3人共にアルバムを完成させました。
KREVAが一番早く『新人クレバ』を出し、MCUは『A Peacetime MCU』、そして、LITTLEは『LIFE』をリリースしました。
もともと3人はバラバラに活動していて、「カンケリ」という曲で共演を果たして、そこから生まれたグループですから、私は最初から「ソロ3人」という見方をしていましたが、この3作品を聴いて、改めてKICK THE CAN CREWはすごかったんだな、と活動停止してから気づきます。
そして、見事に3人ならではの、バラバラのアルバムができあがりました。
KREVAはMC BATTLEを連覇した強者ですが、トラックメーカーとしては、意外にもPOPな感じです。
LITTLEは、昔なじみのメンバーを起用しながらも、一枚のアルバムの中でいろいろなことをやっています。
MCUに至っては、HIPHOPの枠をとっぱらった作品になっています。
ここまで違うと、音楽性の違いによる仲違いで解消したのかと思ってしまいますが、おそらく、ソロで何枚かアルバム出したら、また復活するのではないでしょうか。
というか、ぜひ復活してほしいです。
RHYMESTER feat. KICK THE CAN CREW」とか一曲のみの復活もあり得るでしょう。


3枚のアルバムでどれが良いかという質問は、なかなか難しいところでしょうが、個人的に言わせてもらえれば、LITTLEのアルバムが好きです。
一枚のアルバムにまとめるにはもったいないくらい、いろいろなことをやっています。
和風にしてみたり、レゲエ風もあり、LOVE SONGあり、社会派あり。
プロデューサーも、DJ TATSUTA、DJ FUMIYA、ROCK-Tee、マボロシ、KANG DONG、KOHEI JAPAN、DJ CEROLY、ZINGI、DJ KAORI、Shingo.S for 813など多彩です。
LITTLEと言えば「WAR ZONE」で、童子-T兄さんとやりあうのがパターンですが(LITTLE『Mr.COMPACT』の「WAR ZONE」、童子-T『第三の男』の「WAR ZONE Part 2」)、今回はありません。
しかし、今回は相手が増えて、ZINGIになったようです。「HARD硬派 Part 2」では、Marさんのヴァースでちょっといじめられています。


ZINGIと聞くと、過去の大御所というイメージがありますが、今復活するのは、すごく面白いと思います。B-FRESHも新しくアルバムを出したのですから(『5th Element』)、KICK THE CAN CREWはもう少し寝かせておくとして、ZINGIは今すぐにでも復活してほしいです。