第531回 ラッパ我リヤ『NO HIPHOP NO LIFE』

NO HIPHOP NO LIFE

NO HIPHOP NO LIFE


アルバムタイトルの『NO HIPHOP NO LIFE』。なんていい言葉なんでしょう。


さて、肝心の中身ですが、前作『RAPPAGARIYA』の続編のようなアルバムです。つまり、前作のトラックの雰囲気とあまり変わりません。そのせいか、ラッパ我リヤのアルバムの中では、割と平均的なアルバムだなと思います。「もう少しインパクトが欲しかったな」と書けばいいのか、「さすがにキャリアが長いだけに安定している」と書けばいいのか迷います。


このアルバムで特筆すべきは、やはり「ヤバスギルスキルPart.8」でしょう。第八弾まで続けているということは、これは確実にキリのいい「Part.10」までやる気なのでしょう。もしかしたら、ほんとにライフワークとなる作品かも知れません。
また、最近の「ヤバスギルスキル」は、いったいどこまで続くのか、だけでなく、誰がフィーチャリングされるかも注目されます。前回の「Part.7」は、DABOという割と妥当な人が参加しましたが、今回はなんと…
ZINGIとTOMI-E!
いやいや、これはツボを心得ていますね。このタイミングでZINGIのメンバーをフィーチャリングするとは、なかなかやります。
TOMI-Eは、グラフィティアートの第一人者で、ラップははじめて聞きました。あまり洗練してない感じは、昔のAKTIONを思い出させます。でも、上手いことは上手いので、これからも期待です。スプレー缶の音がサンプリングされているのがかっこいいです。
魔梵とMC仁義のパートが短いのが少し残念ですが、トラックも含め、アルバムの中でいちばん好きです。
(ちなみに、ZINGIのホームページがあってびっくりしたので、アドレスを書いておきます→http://zingi.jp/


しかし、「ヤバスギルスキルPart.8」の感想を書いてしまったら、あとは特に感想はないんですよねえ。今のところは。また、何度も聴いて、書きたくなったら書くことにします。
強いて挙げれば、2曲めの「UNDERGROUND SOLDIER」と最後の「WALK ON feat.ARK」でしょうか。「UNDERGROUND SOLDIER」は、イントロ後の小手調べにしては、ラッパ我リヤらしい太さが出ている曲です。いきなりやられます。
アルバムラストを飾るのは、意外や意外、ARKを迎えた「WALK ON」ですが、これも意外に哀愁があって、いいんですけど、もう一息という感じです。
あと、これも恒例の(?)「HUMAN BEATBOX feat.太華(MSC/ケルベロス/東京過呼吸倶楽部)」も凄かったです。太華のヒューマンビートボックスが上手いです。ほんとに口だけでこれだけの音楽ができるなんて、改めて考えても、凄いことです。かっこいいですね。