第348回 DJ NAPEY『FIRST CALL』

ファースト・コール

ファースト・コール


それまで、DJ NAPEYという名前は聞いたことがありますが、作品は聴いたことがなく、どんな人物なのかも知りませんでした。


DJ NAPEYのアルバム『ファースト・コール』に、「DOYOUWANNAPLAY? feat. RHYMESTER」が収録されていたので、この曲だけを期待して聴いてみました。というのも、だいたい妄走族が世に出てから以降は、HIPHOPアーティストが全国各地にたくさんいすぎて、新人と言われる人たちはあまり積極的に聴こうとは思いませんでした。はっきり言って、聴かず嫌いですね。
だから、そういう書き方になってしまったのですが、このアルバム全部を聴いて驚きました。まだまだ全国には、相当な強者たちがいるものですね。


ベテランRHYMESTERも良かったですが、RHYMESTERもかすむほどの若手アーティストがこのアルバムで”うごめいて”います。DJ NAPEYが神戸出身なので、関西勢のアーティストが多く登場しますが、「関西勢は今後全国的にも認められる一大勢力になるのではないか」と思わせるくらい、元気です。「蓮の花 feat. 神戸薔薇尻」は、トラックはせつないのに、ラップはとても放送できない(放送禁止用語あり)曲で、強烈です。
韻踏合組合や(東京ですが)ICE BAHNの押韻技術は、すごすぎます。よく考えたなというか、よく見つけたというか、唸らされます。


個人的には「久しぶり!」と言いたい、MISTA O.K.Iや茂千代がまだまだ現役で安心しました。


最近は、一日に一アーティストが誕生しているんじゃないかと思うくらい、HIPHOPアーティストがたくさん出てきます。何がホンモノでニセモノか見分ける必要性も考えなくてはいけませんが、「Japanese HIP HOP introducer」を書く私としては「好きなものを聴けばいい」と思っています。
ただ、正直なことを言うと、私にも好き嫌いはありますので、ブログに登場する曲に多少の偏りがあることはご了承ください。
今回のように、私がまだ聴いたことのない日本語ラップ作品にも、良い作品はいっぱいあると思いますので、どんどん日本語ラップの曲を聴いていってほしいと思います。


かつて、数少ないアーティストは、日本語ラップシーンをなんとかメジャーなものにしようと苦心したのですが、今は数多いアーティストがどうやって生き残っていくか苦心する時代となったようですね。


ちなみに、『ファースト・コール』とありますが、DJ NAPEYは2003年に『イルフィンガー』をリリースしていますので、「ファースト」アルバムではありません。