第326回 マボロシ「ブレーメン feat. CHANNEL,K.I.N.,CUEZERO」

ワルダクミ

ワルダクミ


EAST ENDRHYMESTERにはじまり、RIP SLYMEKICK THE CAN CREWといったグループまで所属する大所帯のユニット、FUNKY GRAMMAR UNIT(略してFG)。こんなにたくさんいても、ひとりひとりの個性がはっきりしているのがすごいのですが、もし「FGの中で、いちばん好きなアーティストは誰?」という酷な人気アンケートをとったら、おそらく、ワースト3は、今回紹介する3名でしょう。


Mummy-D竹内朋康からなるマボロシの「ブレーメン」で、FGでもシブどころの3人が起用されました。意識してか無意識してかわかりませんが、たくさんFGのMCがいるのに、どうしてこの3人を一挙に起用したのか、聞いてみたいです。
しかし、この曲が良いのです。童話のブレーメンの音楽隊を意識したのは明白ですが、それぞれ登場する動物に自分を当てはめたりするところに、どこか自虐的な感じも受けます(私だけ?)。


確かにRIP SLYMEKICK THE CAN CREWの3人に比べれば、地味な3人ですが(MELLOW YELLOWのK.I.N.などは、KOHEI JAPANのソロ作品、客演作品の数に比べたら、恐ろしくソロ作品が少ない)、ラップは3人とも巧い実力者ですから、聴いてほしいですね。マボロシの『ワルダクミ』は評価が高いようですが、この「ブレーメン」に関してはほとんどスルーされています。そりゃ「廻シ蹴リ featuring MURO, DABO」や「ファンキーグラマラス Part2 featuring KREVA」に比べれば地味なんですが。


大所帯に人気者がいるとどうしても光の当たらない場所も出てくるのですが、私はこういう人たちこそ(もちろん、実力があることが条件)好きです。世のミーハー気味のファンのみなさん、こういう曲も聴いてね。