第282回 D.O「N-TOWN」

Just Hustlin’Now

Just Hustlin’Now


えん突つクルーに所属し、数々の客演をこなしてきたD.Oのファーストアルバムからです。ゲストのRINO LATINA IIやHI-D & TWIGY、565などバックアップもしっかりしたアルバム自体もオススメなのですが、今回は、特に気になった一曲をあげます。
曲といっても、「N-TOWN」というSkitです。


HIPHOPは”地元”を大事にする音楽です。この『Just Hustlin’Now』でも、練馬出身のD.Oは、アルバム全体にわたって練馬色を出しています。
もともと「練MOTHA FUCKER」と言ってきましたが(なかなか面白いネーミングです)、その他にも「WE WRE 練MUR」とか「練 GO AROUND」などの表現がみられます(個人的に、英語に混じって、漢字一字「練」が入っているナンセンスさがツボです)。


さて、今回の「N-TOWN」ですが、この流れで言うと、「N」はどう考えても練馬のNです。大阪のことを「O-TOWN」と言うのと同じことだと思いますが、大都市大阪にOを割り当てるのは良しとしても、東京23区の練馬にNをあててもいいのでしょうか。


この「N-TOWN」で何を歌っているかと言うと、練馬の地名を羅列しているのです。これは、練馬出身者は必聴です。私は練馬に別にゆかりはないし(練馬大根しか思いつかないし)、思い入れもありませんが、地名とか地図とかちょっと好きなので、こういうSkitは大好きです。
旭丘、旭町、春日町、上石神井、北町、小竹町、栄町、桜台、高野台、高松、田柄、立野町…。ちゃんと関町、中村や豊玉などは、関町北など東西南北もちゃんとつけて紹介しています。終盤、大泉周辺になるとなぜか盛り上がって終わります。
こういうものはイロモノと見られがちですが、決してイロモノ作品ではありません。さすがに、この曲をシングルで切られても困りますが、アルバムの中に一曲あってもいいと思います。


D.Oの『Just Hustlin’Now』は、他にも面白いSkitがあります。特にSkitを重点的に制作したわけではないと思いますし、肝心の曲も出来がいいですから、この「N-TOWN」以外もちゃんと聴いてください(それにしても、TWIGY a.k.a WIGGY CLIFTONの登場が多いのは気のせいですか)。


(参考:「練馬の地名 いまむかし」)