第２１２回 神「HARD PUNCH YA」

ザ パンチ

日本のHIPHOPもいろんな曲がリリースされてきましたが、これはかなり珍しい曲です。「HARD PUNCH YA」というもっともらしいタイトルがついていますが、（ある意味タイトル通り）この曲はパンチパーマについての曲です。

妄走族のMC、神（「がみ」と読むが、いつ見てもすごい名前）のアイデンティティーとも言えるパンチパーマに対するこだわりを熱く歌ったものです。一番最初のリリックに「コイズミ」と出てくるので、例の日本の総理批判かと思いきや、単に理容店の名前のようです。この曲の前の「Skit-小泉理容店-」から聴くと、わかります。

私はまっとうに生きてきたつもりなので、その道のことはわかりませんが、いわゆる”ヤンキー”とHIPHOPは似ているところはあるかもしれません。昔の”不良”、今の”ヤンキー”からHIPHOPに入ったアーティストもいるようで、この神もそうなのでしょう。
HIPHOPをやっている、いわゆるB-BOYでパンチパーマをやっている人はほとんどいないと思いますが、今でも「昭和の不良」のパンチを誇りに思っているのは、もしかしたら偉いことなのかもしれません。ソロの第一弾アルバムのタイトルを『ザ パンチ』にするというのも相当な思いなのでしょう。
アルバム最後のBonus Trackも「HARD PUNCH YA」のリミックスです。