第144回 V.A.『32 BLOCK PARTY』

32 BLOCK PARTY hosted by MURO(CCCD)

32 BLOCK PARTY hosted by MURO(CCCD)


現在、一線で活躍しているアーティストが、一昔前に若手として参加しているコンピレーションアルバムを見つけると、感慨深くなります。十数曲のうちに、今すごく有名になっているアーティストと、残念ながら無名で終わってしまったアーティストがいると、なんだかせつなくなります。


大御所MUROがホストを務めるこのCDには、全国各地から多くの若手が登場します。中には、TAD’S A.C.(LUNCH TIME SPEAX)やAKIRAM.O.S.A.D.)など、すでに全国的に結果を出しているアーティストもいますが、多くは、これからの活躍が期待される人たちばかりです。


ここ数年、HIPHOP人口が爆発的に増えました。若い世代、全国各地にHIPHOPをやる人たちが多くなりました。良い傾向だと思いますが、必ずしも100パーセント良いこととは限りません。私もちょっと前までは、新人が出てきたらなるべく聴くようにしていましたが、いつしか追いつかなくなったのか、最近、ほとんど新人は聴きません。あんまり興味がわきません。


ただ、私の好きなベテラン〜中堅アーティストの作品に(目安として妄走族まで)フィーチャーされたり、逆に参加していたりすると聴きます。そこから好きになれば、そのアーティストの作品を今後も聴くことになるし、逆に聴かなくなることもあります。
ですから、もしソロ作品の時は、なるべくベテランMCをフィーチャーしてくれると。個人的にはものすごく助かります。


このCDもMUROがホストでなかったら聴くことはなかったと思いますが、結果的に聴いてよかったと思います。最終曲の「32 BLOCK PARTY」は、このアルバムに参加した全てのアーティストがフリースタイルでマイクリレーしていて、その意気込み、パワーを感じます。2004年にリリースされたCDですが、数年後は、この中の誰と誰に火がついているでしょうか。『32 BLOCK PARTY』はHIPHOPクラシックになっているでしょうか。