第103回 TAICHI MASTER「あ・い・ど・る feat. RYOJI×宇多丸」

DISCO-NNECTION

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最近「オタク(ヲタク)」の力がものすごい勢いです。人間、仕事以外に何か趣味や興味や持つのは当たり前ですが、何なのでしょうか。あの自分を顧みない雰囲気は。
私もそうですし、世間的にもそうだと思うのですが、あのテの人たちは苦手(嫌い)です。あの他をよせつけないオーラ。しかし、当人たちは承知のことで、そんなことはお構いなしであこがれに追いかけるのですから、別にいいのです。
しかも、日本の経済も支える勢いです
そのうち、ハリウッド映画に出てくる日本人は、メガネをかけてカメラを首にかけた出っ歯のサラリーマンではなく、メガネはかけても、チェックのシャツをズボンにしっかり入れ、背中のリュックにポスターをさし、両手に電器屋の袋を持った若い男性が出てくるかも知れません。


日本のHIPHOPにも、記念すべき(!?)オタクの曲ができました。その名も「あ・い・ど・る」。昔、RADICAL FREAKS(MCUと一緒に)に所属していたTAICHI MASTERのアルバムに収録されています。その人脈で、ケツメイシからRYOJI、RHYMESTERから宇多丸という、なかなか珍しい曲になりました。
RYOJIはさわやかな歌声で歌詞も普通なのですが、宇多丸師匠がこれまた。師匠は、有名な「モーニング娘。」オタクなのです。
モーニング娘に向けたものかはわかりませんが、「ヲタモダチ」「萌え」「ヲタ芸」というような言葉が飛び出し、アイドルを追いかける意気込みが伝わってきます。
曲を聴くと、RYOJIと宇多丸師匠のちぐはぐな感じはありますが、これはこれでアリで、なかなか面白いです。


テレビの「電車男」の主題歌は、サンボマスターの「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」ですが、この曲でもぴったり来るくらい(もしかしたら、最終選考に残ったかも知れない)のヲタク讃歌です。ケツメイシのRYOJIですから知名度もあるし、惜しいですね。


しかし、宇多丸師匠がヲタクだとしても鳥肌が立たないのはどうしてでしょう。それは、モーニング娘が好きであろうが、スタイルは変わらないわけだし、そもそもかっこいいからです。
結局、ヲタクは誰がやるかが問題なのです。
ヨン様モーニング娘を追いかけたって、問題ないわけです。日本のおば様も納得するはずです。キムタクが鉄道マニアだって、ファンたちは納得するわけです。キムタクが鉄道に乗って、考えごとをしているのがいいと、勝手に想像して、かっこいいと思うのです。


あとは、外見や雰囲気も問題です。先ほども書きましたが、誰でも本分意外に何か好きなものをもっているはずです。料理が好きだったり、ガーデニングに凝っていたりする人もいれば、フィギュアを自作する人や、パソコンに向かいっぱなしの人もいます。
音楽でも、浜崎あゆみ倖田來未オレンジレンジが好きな人もいれば、モーニング娘を追いかける人もいるし、私みたいに日本のHIPHOPに興味を持つ人もいます。私も言ってみれば”HIPHOP”オタクなわけです。
しかし、私がいかにセンスがないからと言って、秋葉原にいるようなファッションはさすがにしません。
彼らも見てくれにもう少し気配りしてくれれば、世間の目も冷たくならないのですが、そんなことは気にせずに今日もあ・い・ど・るを追いかけるのです。
かといって、B-BOYファッションでガチガチに決め込んだ人も白い目で見られるわけですから、難しいです。