第456回 S.P.C.『SKILL PLUS CREATIVITY』

SKILL PLUS CREATIVITY

SKILL PLUS CREATIVITY


S.P.C.とは、ポニーキャニオンのページによると、DJ SEIJI、DJ TAMA、MCのKAZMANIACを中心としたレペゼン札幌のHIPHOPグループです。東京に比べれば札幌は僻地なのですが、この三人は世界が認めるほどのスゴ腕の人たちなのです。
少し前まで、札幌のHIPHOPで全国的にも知名度があるのは、THA BLUE HERB(BOSS THE MC)とこのS.P.C.位なものだと思います。数としては少ないのですが、どちらも人気やカリスマ性のあるアーティストということで、なぜか札幌でHIPHOPを聴いているだけという人間で関係ないのに、私はどこか嬉しい気がしていました。


さて、前述(id:dmworldhh:20060914)の『WIREDII』にS.P.C.の「Mirage」が収録され、札幌では大きな支持を得たようです。曲の出来も良かったのはもちろん、札幌の地名が出てくるなど、札幌での日常生活が描かれていて、その地元ならではの共感できる部分もヒットにつながったのではないでしょうか。
私は現在仙台に住んでいますが、歌詞を聴いていると、大通公園からススキノにかけての景色が甦ってきました。
ただ、カレンダーをめくるのを忘れることはよくあるでしょうが、カレンダーが6月のままで、実際は7月20日ってことはさすがにないでしょうよ。どんだけずぼらなんでしょう(笑)。


この「Mirage」のヒットを受け、ミニアルバムがリリースされました。それが今回紹介する『SKILL PLUS CREATIVITY』(S.P.C.とはこれの頭文字のようです)です。北海道限定で500枚だけ販売したのですが、即完売だったそうです。ただし、現在流通しているのはその後再発されたもので、2曲追加されています。


この「Mirage」に加えて「Mirage pt.2」、さらにそのRemixの「Mirage Pt.2 Party Night Remix feat.Keyco」も収録されています。「Mirage」に比べるとやや地元色は薄れていますが、トラックのセンスが相変わらず光っています。ノレるトラックで、この辺りもDJの実力をうかがい知れます。


札幌のHIPHOPというと、現在HOKTをはじめとするNorth Coast Bad Boyzが盛り上がっており、東京のアーティストともつながりを持つようになりました(参考:HOKT『G in RHYMES』など)。横浜、名古屋や京阪地区、仙台などに比べると遅れがありますが、札幌および北海道のHIPHOP旋風を早く全国展開していくのを願っています。
その際に、このS.P.C.の功績が再評価されると嬉しいですが…。