第335回 OZROSAURUS『Rhyme & Blues』

Rhyme&Blues

Rhyme&Blues


OZROSAURUSの3枚目のアルバムです。オジロザウルスのアルバム、略して「オジバム」と言うようで、今回のリリックにもよく登場します。


今回の”オジバム”について、二木崇(D-ST.ENT.)氏が「アガる曲、ハマる曲、泣ける曲、エグる曲、そして優しい気持ちになれる曲」という表現をしていますが、この言葉に尽きると思います。OZROSAURUS(MACCHO)は、これまで『ROLLIN’045』、『JUICE』とアルバムを出してきていますが、今回のアルバムはこれまでのさまざまな要素を含んでいるアルバムだと思います。


今回からは完全にDJ TOMOは離脱し、主にDJ PMXがプロデュースをとっていますが(他に、KNOCK、DJ SN-Z)、やはり、横浜サウンドにPMXは鉄板ですね。今作の中では、「Clap Ya!! feat. BIG RON, GHETTO INC」がハマっています。PMXにMACCHO、BIG RON、GHETTO INCというメンバーに、文句は出ないでしょう。


確かに、いろんな曲が入っているので楽しめるのですが、私は「泣ける曲、優しい気持ちになれる曲」の方が好きです。
まず、タイトル曲にもなっている「Life Is One Time 〜Rhyme & Blues〜 feat. 般若, SAY」。般若とMACCHOというコンビでどれだけ暴れてくれるのかと思えば、一転、哀愁漂う曲です。般若の長渕剛に感化されたスタイル(こんなこと言っていいのかな?)は、すっかり板に付いてきましたね。SAYのhookとともに、がっちりハマってぴったりです。
他にも、息子(=自分)に向けたメッセージソング「My Dear Son」や、ジョン・レノンの名曲「Imagine」のオジロザウルス・バージョンと言ってもよい「Soul Dier feat. SORASANZEN」もいいです。


また、「The True Story」のように、自分の歴史とともに当時の日本語ラップシーンを振り返る曲が、偶然にも『Rhyme&Blues』と近い時期にリリースされたベテラン・アーティストの作品にも多く見られます。
2006年は、一度再確認する年なのでしょうか。


あと、「Disrespect 4 U feat. ZEEBRA」にも触れておかなければいけないでしょう。タイトルから分かるように、disの曲ですが、MACCHOのヴァースのターゲットは比較的わかりやすく、高学歴のあの人です。「サビの唄のメロ」と言ったら、あの人しかいないでしょう。


現在、OZROSAURUSはMACCHOのソロプロジェクトみたいな形になっており、将来的にどうなっていくのかわかりませんが、MACCHOとDJ PMXの相性はバッチリ合っていると思いますので、私としては、この方向性で進んでもらいたいです。