第271回 ANTY the 紅乃壱「U:NEEQ ROCKIN’」

U:NEEQ ROCKIN’

U:NEEQ ROCKIN’


TOKONA-Xが亡くなってから、かなりの時間が経っていますが、今でもTOKONA-Xを悼む曲がリリースされます。
最近で言うと、DABOの「COME COME BACK」(『おはようジパング』収録)もそうですが、今回はANTY the 紅乃壱の「U:NEEQ ROCKIN'」を紹介しましょう。


ANTY the 紅乃壱は、TOKONA-Xと同じ名古屋つながりの女性ラッパーです。それにしても、TOKONA-Xというインパクト大のアーティストがいなくなっても、名古屋には実に多彩なアーティストがいるものです。
さすがにTOKONA-Xには及びませんが、ANTY the 紅乃壱も女性ながら結構大胆なことを言っちゃうラッパーです。
ちなみに、私は最初読めませんでしたが、「紅乃壱」は「くのいち」と読みます。「べにのいち」ではありません。


CDの解説によると、この曲はもともとTOKONA-Xと共演する予定だったものを、リメイクしたものだったそうです。タイトルは「WHO'S THE KING, WHO'S THE QUEEN」というそうで、曲中にもこのフレーズが出てきます。
「U:NEEQ」は「QUEEN」からの造語で、「ROCKIN'」はTOKONA-Xとの共演曲「女子大ROCK」(『トウカイ×テイオー』収録)から来ているそうです。


曲間にはTOKONA-Xのライブの様子がサンプリングされています。残念なことに、私はTOKONA-Xに会うどころか、ライブすら体感せずに、TOKONA-Xは逝ってしまったのですが、おそらくライブに一回でも行ったことがある人が「U:NEEQ ROCKIN'」を聴いたら、ショックと悲しさを再び思い出すことでしょう。


しかし、曲のテーマ自体は、決してTOKONA-Xを悼むものではないのです。ANTY the 紅乃壱のラップを聴かせたいのであれば、TOKONA-Xの登場は決して得策ではないと思うのですが、やはり、同じ名古屋のアーティストとして、TOKONA-Xへのリスペクトは尽きることがないのでしょう。